背景用HDR宇宙素材配布

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CGを制作する上で、背景や環境マップとしてパノラマ画像(いわゆるHDRI)を使うことがよくあります。パノラマ素材はWeb上で無料配布されているものも多いですが、「宇宙空間」のパノラマHDRIはなかなかありません。以下に、自作したパノラマ画像と、NASA等の機関から入手できるパノラマHDRIデータをまとめます。

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自作の宇宙背景素材

検索すれば色々と出てくるのですが、宇宙空間のHDRIはなかなか出てこないのです。なので自作しました。
もちろん実写ベースではなく、フラクタルノイズを加工して星空っぽく作ったものです。AfterEffectsで製作しました。

8192 x 4096 ピクセルで製作しました。その一部を切り出したものがこれです。

Space_Star_Map_Thumb

このHDRIは配布しますので、自由にお使いください。

タイプAとタイプBがありますが、星の多さです。Aのほうが多いです。

追記:「ホンモノ」の宇宙の背景の素材が欲しい人は、以下を御覧ください。

実写の宇宙背景素材

NASAのGoddard Space Flight Center Scientific Visualization Studioと、ヨーロッパ南天天文台 (European Southern Observatory : ESO)が、それぞれ使いやすい形で360度パノラマの宇宙背景素材をアップしてくれています。

Deep Star Maps 2012 (NASA)

追記:2020年に、さらにアップデートされたバージョンが公開されました。詳細は下のほうに書いています。

NASA Scientific Visualization Studio | Deep Star Maps
This set of star maps was created by plotting the position, brightness, and color of just over 100 million stars from th...

これは、様々な星表 (Bright Star, Tycho-2, and UCAC3 star catalogs)からのデータを集めて、約1億個の星をプロットすることにより作成された、360度パノラマの星空データです。celestial coordinates (天球座標系)という、地球の赤道を基準にプロットしたものと、galactic coordinates (銀河座標系)という、天の川銀河のディスクを基準にプロットしたものの2種類のデータがアップロードされています。最大解像度は16384 x 8192 (16K)のTIFFファイルとなっており、十分な解像度です。

NASAのWebサイトからの直接ダウンロードリンクを用意しておきます。大きいもので100MBを超えるので携帯回線などの方はご注意ください。

天球座標系 (celestial coordinates)

天球座標系 (celestial coordinates)

銀河座標系 (galactic coordinates)

銀河座標系 (galactic coordinates)

こちらのデータを使用した際は、以下のクレジットをつけるようにとのことです。(詳細は元ページ参照)

NASA/Goddard Space Flight Center Scientific Visualization Studio. Constellation figures based on those developed for the IAU by Alan MacRobert of Sky and Telescope magazine (Roger Sinnott and Rick Fienberg).

Deep Star Maps 2020 (NASA)

NASA Scientific Visualization Studio | Deep Star Maps 2020
The star map in celestial coordinates, at five different resolutions. The map is centered at 0h right ascension, and r.a...

上記「Deep Star Maps」の2020年版です。2012年版は1億個の星をプロットして作成されましたが、こちらはなんと17億個の星をプロットしたようです。使用した星表等のデータはHipparcos-2, Tycho-2, Gaia Data Release 2, Yale Bright Star Catalog, UCAC3, XHIPとのこと。また、半精度浮動小数(half-float)のOpenEXRフォーマットで作成されており、HDR対応です。解像度もパワーアップしてなんと最大サイズ64K (65536 x 32768)。データサイズは最大3.7GBですのでご注意ください。

こちらも、celestial coordinates (天球座標系)galactic coordinates (銀河座標系)の2種類が用意されています。さらに、「明るい星のみ」版と「暗い星のみ」版もあります。

天球座標系 (celestial coordinates)

天球座標系 (celestial coordinates) 暗い星のみ

天球座標系 (celestial coordinates) 明るい星のみ

銀河座標系 (galactic coordinates)

銀河座標系 (galactic coordinates) 暗い星のみ

銀河座標系 (galactic coordinates) 明るい星のみ

こちらのデータを使用した際は、以下のクレジットをつけるようにとのことです。(詳細は元ページ参照)

NASA/Goddard Space Flight Center Scientific Visualization Studio. Gaia DR2: ESA/Gaia/DPAC. Constellation figures based on those developed for the IAU by Alan MacRobert of Sky and Telescope magazine (Roger Sinnott and Rick Fienberg).

The Alternative Night Sky 2017 (NASA)

追記:こちらも新バージョンが2020年に公開されています。詳細は下のほうに記載。

NASA Scientific Visualization Studio | The Alternative Night Sky - Another Time - Another Place
A low-magnitude threshold version of the skymap. The threshold magnitude is 3.0 so the galactic disk is very faint. Good...

こちらも似たような星空データですが、「地球ではない(もしくは現在ではない)」場所での星空として使える素材になっています。詳細は元ページを参照していただきたいですが、「銀河内の別の場所または別の時間(要するに、地球ではない場所)の背景として制作した」とあります。地球ではない場所では、当然見える星のパターンも、地球とは異なっているはずです。また、たとえば何十億年前や、何十億年後の地球から見える星空も、今とは違っているはずです。そういったシチュエーションでの映像化のときに、現在の地球から見える同じ星空が写っているようではツッコまれてしまうのでこれを作ったのだと書かれています。Tycho Catalog skymapから暗い星を構築したあと、明るい星をランダムにずらして、地球とは違うパターンの星空が生み出されました。どうやらこちらは天球座標系のデータしか無いようです。

天球座標系(中輝度)

明るさごとに3つのバージョンが用意されており、最大解像度は 16384 x 8192 (16K)のTIFF となっております(最も明るいバージョンのみ。ほかは8K)。最大の16K TIFFは384MBあります。

低輝度(3.0等級まで)

中輝度(4.0等級まで)

高輝度(5.0等級:肉眼で見えるすべて)

こちらも、以下のようなクレジットをつけろと指示があります。

NASA’s Scientific Visualization Studio

An Elsewhere Starfield 2020 (NASA)

NASA Scientific Visualization Studio | An Elsewhere Starfield
The randomized star map in celestial coordinates, at five different resolutions. (Or more generically: The galactic plan...

「The Alternative Night Sky」のアップデート版として2020年に公開されたものです。星の位置をランダム化し、銀河内の地球ではない場所から宇宙を眺めた背景を想定して作成されたものです。こちらも、Deep Star Maps 2020年版と同じく、半精度浮動小数(half-float)のOpenEXRフォーマットで作成されており、HDR対応です。解像度も最大64Kです。

天球座標系 (celestial coordinates)

銀河座標系 (galactic coordinates)

クレジットは下記が必要です。

NASA’s Scientific Visualization Studio

The Milky Way panorama (ESO)

The Milky Way panorama
The Milky Way panorama

the International Year of Astronomy 2009 (IYA2009)の GigaGalaxy Zoom projectで作成されたものだそうです。

最大解像度は6000 x 3000ピクセルのTIFFファイルです。NASAのものと似ています(あたりまえ)。次のクレジットを付ける必要があります。

ESO/S. Brunier

NASAの素材の使用条件について

NASAが公開している情報は、Media Usage GuidelinesNASA Regulations for Advertising Requestsによると、

NASA content – images, audio, video, and computer files used in the rendition of 3-dimensional models, such as texture maps and polygon data in any format – generally are not copyrighted. You may use this material for educational or informational purposes, including photo collections, textbooks, public exhibits, computer graphical simulations and Internet Web pages. This general permission extends to personal Web pages.

Media Usage Guidelines

NASAのコンテンツ – テクスチャマップやあらゆる形式のポリゴンデータなど、3次元モデルの表現に使用される画像、音声、ビデオ、およびコンピューターファイルは、一般に著作権で保護されていません。 この資料は、写真集、教科書、公開展示、コンピューターグラフィカルシミュレーション、インターネットWebページなど、教育または情報提供の目的で使用できます。 この一般的な許可は、個人のWebページにまで及びます。

Many NASA images and selections of film and video footage produced and publicly released by NASA may be used for advertising purposes.

NASA Regulations for Advertising Requests

多くのNASAの画像と、NASAが制作および公開した映画やビデオの映像のセレクションは、広告目的に使用できます。

とあるので、商用/非商用どちらも使用可能だと思われます。(クレジットは入れないといけない)

ESOの素材の使用条件について

ESOの「Usage of images, videos, music and web texts」によれば、素材はCreative Commons Attribution 4.0 International Licenseが適用されているようです。

If you want to use our materials without having to pay, the full image or footage credit must be presented in a clear and readable manner to all users, with the wording unaltered (for example: “ESO/José Francisco (josefrancisco.org)”. The credit should not be hidden or disassociated from the image footage. Links should be active if the credit is online. See the copyright Q&A section on this page for guidance.

Usage of images, videos, music and web texts

支払いをせずに資料を使用する場合は、すべてのユーザーに完全な画像または映像クレジットを明確で読みやすい方法で提示する必要があります(例:「ESO /JoséFrancisco(josefrancisco.org)
クレジットがオンラインの場合は、リンクをアクティブにする必要があります。

Q: I want to use the footage in a YouTube video. Is it OK just to put the credit in the text description?

A: No, as this is hidden inside a tab and therefore not visible as we request. Also it is not visible if the video is embedded in another website. In the special case where you cannot credit the video visibly, please include the credit line ‘burned in’ or overlaid on the video, or clearly visible as a credit at the end.

Usage of images, videos, music and web texts

Q: YouTubeビデオで映像を使用したいです。概要欄にクレジットを入れても大丈夫ですか?
A: いいえ。これはタブ内に隠されているため、要求どおりに表示されません。また、ビデオが別のWebサイトに埋め込まれている場合は表示されません。動画を目に見えてクレジットできない特別な場合は、クレジットラインを「焼き付ける」、または動画に重ねて含めるか、最後にクレジットとしてはっきりと表示してください。

改造版

Deviant Artのウェブサイトにて、darth-biomech氏が上記のNASAとESOのデータなどを用いてよりきれいなデータを作ったようですので紹介しておきます。

DeviantArt: 404
DeviantArt is the world's largest online social community for artists and art enthusiasts, allowing people to connect th...

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