CGで月を作る

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3DCGで月を作る方法についてまとめています。

2019/11追記
NASAがCGアーティスト向けにチューニングした素材「CGI Moon Kit」を用意してくれています。このおかげで以前よりかなり手軽にリアルなものが作れるようになりました。

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マップの入手

NASAのScientific Visualization Studioが、以下のページで月のColorマップとDisplacementマップを配布しています。

NASA Scientific Visualization Studio | CGI Moon Kit
These color and elevation maps are designed for use in 3D rendering software. They are created from data assembled by th...

カラーマップ

カラーマップ

このデータは、月を周回している人工衛星LROに搭載されているカメラ(LROC)で撮影したデータを加工して作られています。7つの波長帯域のデータを組み合わせて、人間の目で見える色に一致させているそうです。また、衛星から得られる撮影データは南緯70度から南緯70度までの情報のみで、極部分に関しては永久に影になっている部分があるため得られていません。その部分に関しては、レーザー高度計から得られたデータなどを組み合わせて再現し、マップを完成させています。これからもわかるように、科学的なデータを、アーティスティックなデータに変換してくれているので、まさにCGアーティスト向けの素材だと言えます。

ディスプレイスメントマップ

Lunar Orbiter Laser Altimeter instrumentチームのグリッドデータからディスプレイスメントマップを生成したようです。
このデータ(LOLAデータ)の基準面は、半径1737.4kmで、これより高いか低いかという情報がマップになっています。この半径に対して0.5m単位での高度情報を2000で割ったものが、符号付き浮動小数点のTIFFデータになっています。それに加えて、すべてのデータに+20000(+10km)して、すべてを正にしたデータが、16bit整数のTIFFデータとして用意されています。

ディスプレイスメントマップ

組み合わせ

以上のマップをCGソフト上で組み合わせると、見事リアルな月の完成となります。
このような画像を作成してみました。

それなりにリアルなものになったのではないでしょうか。色補正とグレア、レンズ歪を加えています。

月関係のリファレンス

月の見え方の参考になったのがこちら。北半球での月の見え方です。

こちらは、地球と月の関係を正確に再現したシミュレーションです。

天体写真専門の写真家Miguel Claro氏が撮影した、本物の月の写真です。ディテールがものすごいので、とても参考になります。

https://www.miguelclaro.com/wp/portfolio/half-of-the-moon-and-lunar-x-in-a-craters-show/

こちらは、NASAが公開している月の半径や体積などの情報です。

Moon Fact Sheet

旧情報

以下は、CGI Moon Kit登場前の情報になります。

NASAのホームページなどから、月のフラットマップをダウンロードすることができるので、そこからDiffuseとBumpマップを作ります。

moonmap22k_color_compress

こんな感じの画像が手に入ります。

moon0000 (0;00;00;08)

それを、用意した球体モデルに貼ります。

moon0000 (0;00;00;05)

レンダリングした結果がこちら

moon_gray0000_00000

ここから、空気感を出すために味付けします。

色味調整、露出調整、グロー、空気のゆらぎ、レンズ効果(色収差、レンズ歪み)を加えて完成です。

moon0000 (0;00;00;00)

満月バージョンも作成しました。

moon2 (0;00;00;00)

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